1.本指針の目的
当事業所では、利用者の地域生活を支えつつ、自殺、自傷他害、不慮の事故(転倒・誤嚥等)などの重大事故を防ぐために、事故の発生防止対策及び発生時の対応について、指針を示すことにより適切に医療安産管理を推進し、安全な医療の提供を実現することを目的とし、本指針を定める。
2.医療安全に関する基本方針
1)全職員が医療安全対策に努める。
2)精神科看護における安全管理は、利用者の安全を確保するための安全管理と、看護師の安全を確保するための安全管理であることを理解し、早期対応、再発防止に努める。
3)本指針や医療安全委員会での決定事項については、速やかに全職員に周知徹底する。
3.精神科訪問看護における安全管理の定義
精神科訪問看護における安全管理とは、利用者・家族及び看護師自身の「安全と安心」を確保するため、精神症状や生活環境に起因する、発生しうる事故(リスク)を事前に予測し、被害を最小限に留めるための予防・管理・組織的対応をいう。
(1) 自殺・自傷行為:
自殺や自傷行為は、精神科で発生する医療事故の1/4を占め、精神科の三大医療事故の一つである。鬱病や統合失調症などの影響から、自殺願望や希死念慮を抱く方もあるが、利用者に自殺傾向が見られたとしても、利用者の自由意志は尊重しなければならない。そのため、看護師は利用者の言動や精神状態を注意深く観察するとともに、可能な範囲で危険物や危険個所を排除し、自殺・自傷行為の防止に努めなければならない。特に大量服薬(OD)には注意が必要である。
(2) 看護師や家族への乱暴な言葉や暴力:
他害行為は、精神科の三大医療事故の一つである。他者との関わりが苦手な方や、自分の感情のコントロールが上手くできずトラブルになる場合がある。それは利用者と家族、利用者と看護師間でも起こりえるため、看護師は家族や自分の身を守るための安全管理を理解しなければならない。また看護師は冷静に対応し、利用者に寄り添いながら話を聞くことが重要である。
(3) 攻撃的な行動:
(2)と同様、上手く伝わらない悲しみやイライラしていることに気付いてほしいといった願望など、様々な要因から怒りが制御できず出現してしまうことがある。家族や少人数の看護師では対処できないこともあり、緊急対応(場合によっては、保健所や警察の介入など)も必要となるケースがある。
(4) 不慮の事故:
転倒や誤嚥などの不慮の事故は、精神科の三大医療事故の一つである。利用者の高齢化のリスクや、治療薬による副作用(ふらつきや振戦、すり足歩行など)にも注意が必要である。また嚥下機能低下ではなく、適切な判断ができないために、異物を誤嚥するケースもあり、利用者の行動に注意が必要である。
(5) 薬剤ミス
利用者により治療薬を複数種類に及ぶことがあり、確認する看護師の負担が重くなる場合がある。症状が安定せず処方が変わる利用者もあり、注意が必要である。
4.「医療安全管理に関する基本方針」の達成に向けた取り組み
1)当事業所は、医療安全管理に対して事故の発生防止対策及び発生時の組織的対応を図ることを目的に、「医療安全委員会(以下、委員会)」を設置する。なお、委員会の責任者は管理者とし、管理者は「医療安全管理に関する措置を適切に実施するための担当者(以下、担当者)」とする。
2)委員会の開催にあたっては、管理者および在籍する職員が参加する。
3)委員会は、定期的(年2回以上)かつ必要に応じて担当者の招集により開催する。
4)委員会の協議事項は次のような内容とし、詳細は担当者が定める。
・医療安全管理のための職員研修に関すること。
・インシデント・アクシデント報告書の積極的な提出の励行を促すこと。
・インシデントやアクシデント等について、職員が相談、報告できる体制整備に関すること。
・事故予防、早期発見に向けた取り組みに関すること。
・事故が発生した場合に、その対応に関すること。
・事故の原因分析と再発防止策に関すること。
5.医療安全管理のための職員研修に関する基本事項
1)職員に対する医療安全管理のための研修は、基礎的内容等の適切な知識を普及・啓発するものであるとともに、本指針に基づき、医療安全管理を徹底する内容とする。
2)研修は年1回以上実施する。
3)研修の実施内容については、研修資料、実施概要、出席者等を記録し、電磁的記録等により保存する。
6.虐待等が発生した場合の対応方法に関する基本事項
虐待等が発生した場合は、速やかに市区町村へ報告するとともに、その要因の速やかな除去に努める。客観的な事実確認の結果、虐待者が職員であった場合は、役職位等の如何を問わず、厳正に対処する。
緊急性の高い事案の場合は、市区町村及び警察等の協力を仰ぎ、被虐待者の権利と生命の保全を最優先する。
7.事故等が発生した場合の相談・報告体制に関する事項
1)事故等が発生した場合は、本指針に従って組織として迅速に対応することとする。
2)利用者の救命・安全確保を最優先する。
3)主治医、管理者に直ちに報告し、指示を仰ぐ。
4)必要に応じて緊急連絡先へ連絡する。
5)外部への相談・報告;必要に応じて、東海北陸厚生局、市区町村等の外部窓口へ相談・報告をする。。
8.利用者等に対する当該指針の閲覧に関する事項
求めに応じて、いつでも事業所内で本指針を閲覧できるようにする。また、会社ホームページにも公開し、利用者及び家族等がいつでも自由に閲覧できるようにする。
10.その他医療安全管理の推進のために必要な事項
「5」に定める研修の他、各関係機関により提供される医療安全管理に関する研修への参加等、利用者等の安全管理とサービスの質の向上を図れるよう研鑽に努める。
附則
この指針は、令和8年4月1日より施行する。
令和8年3月20日作成
ゆう訪問看護ステーション